ドイツベルリンの無料ライヴハウスに訪れて感じた危うさと興奮

ドイツベルリンの無料ライヴハウスに訪れて感じた危うさと興奮

もう10年以上前のこと。
僕がドイツの首都ベルリンに滞在していた頃の話です。

志を共にして一緒にベルリンに渡った友人が半年ほどで日本に戻ってしまい、アパートに帰っても広い部屋で一人で過ごす時間にも飽きてきた頃。
僕は刺激を求めてベルリンの街を徘徊しておりました。

愛用していた自転車で目的地は決めずに走りまくり、気になったところで時間を過ごす。
そんなことを続けている最中に見つけたのが、あるライヴハウス。地元の若者が夜な夜な集まる無料のライヴハウスでした。

名前や場所は忘れても強く残る”体験”

そのライヴハウスの名前はわかりません。
それどころか場所も覚えておらず、大きな公園の中にあり、ライヴハウスの周りは小さな湖のようになっていたと思います。

ただ、小橋を渡ってライヴハウスへと歩いた時に見た景色や、ライヴハウスへ入る時に僕に向けられた視線なんかは覚えているんですよね。
体験は忘れない。

観光客が訪れるような中心地からは結構離れた場所にあるライヴハウスなので、周りにたむろしているのは地元民であろう若者ばかり。
僕みたいな”外国人”は見かけませんでした。

“異物”と思われる感覚はそんなに嫌じゃない

実は、このライヴハウスを見かけた1回目の出会いのときは、興味はあったものの中には入れませんでした。
気が引けた、というのが正直なところです。

ライヴハウスの周りには地元の若者がたむろしており、建物中は外からもわかるほど人でいっぱい。
一度様子を見てみようというスタンスになったら最後、躊躇して入れなくなりました。

ドイツベルリンの無料ライヴハウスに訪れて感じた危うさと興奮

それでも自宅に帰ってからもそのライヴハウスのことが気になり、翌週に再度訪れたのでした。

ライブハウスの入口から中に入るとカウンターがあったため、そこにいたスタッフに声をかけてチケットはいくらか確認。
しかし「無料だよ」と素っ気なく言われることになります。

僕と話していたスタッフの女性は、周りのスタッフと驚いた!というような表情を交わしながら、好きに奥へ行けというように親指で奥を指します。

その段階から感じられる周りからの視線。
政治的なことなのか、純粋に僕が外国人だからなのか、地元の若者の溜まり場に来た外国人は時には笑われたりしながらじろじろと見られることになったのでした。

まあただ、それは僕がその場で明らかに”異物”だったのだから仕方のないこと。
偏見なんかが怖い・酷いことと捉えられることが多いですが、少なからずどこででも誰にでも起こりうることです。度が過ぎるのはまずいですが。

身体に菌が入ってくると発熱するようなもので、異物が入り込んでくればその中には何かしら変化があって当然。
それが見れるので、異物として見られる側であることはそんなに嫌じゃないんですよね。

名も知らぬバンドの音楽を聴きながらその場の雰囲気に身を任せる

ドイツベルリンの無料ライヴハウスに訪れて感じた危うさと興奮

ステージ上のバンドの演奏は、思っていたよりもクォリティの高いものでした。

そのおかげもあってか、次第に自分の”異物感”も薄まっていって、次第にその場の雰囲気と同調していくような感覚を感じていました。
感情は隠そうとも周りに伝わるもの。入口で多くの視線を受けた僕の表情や身体は無意識のうちに強張っていたのかもしれません。

ドイツベルリンの無料ライヴハウスに訪れて感じた危うさと興奮

危うさは確かに感じていました。
表情から薬の影を感じる人はいましたし、外国人というだけで嫌う人が存在するのも知っています。

ただ危なそうというだけで足を止めてしまうと、そこから先に見えたはずのものは決して見えない。
危うさを超えると大きな興奮が待っていることが多いということを、この時の僕は知っていました。

実際、この時はライヴハウスが閉まるまで音楽は存分に楽しみましたし、近くにいた人と話ながら酒を飲み交わしたりと良い体験ができました。

まとめ

ベルリンにはバーなんかにも無料でジャズの生演奏が聞ける場所があったりして、お金のない当時の僕は頻繁に利用していました。
しかもどこもクオリティが高かった印象があります。

今、上記で綴った時のような行動ができるかといえばちょっと微妙。躊躇してしまうかもしれません。
ただ、この頃の思い返しては現在の自分に発破をかけています。楽しいところはその先にもあるかもよ、と。

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※こういうことを書くと、海外の危険な場所への観光を勧めていると指摘してこられる方がいるのですが、それだけははっきりと違うと言っておきます。勧めちゃいないです。
探して行く行かないはその方の判断ですし、僕はどちらでも構いません。危ないところは…という方は、地球の歩き方でも読んで行けばいいんでないかな。

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筆者について

筆者について


1982年、東京下町生まれ。
高校卒業後、アメリカへ留学。その後、「アートが根付いた国では絵だけで食えるのか」を確認するため、ドイツベルリンにてアート活動をおこなう。

日本に戻ってからは、コーディング・オーサリング・プログラミングなんかを経て、ウェブディレクターを肩書きにしておりました。現在は独立し、ブログやサイトの運用を軸に、ウェブサイトの企画提案からデザイン・構築まで手広く活動しております。何でも屋です。
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