読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

isLog [イズログ]

isLog〜イズログ〜は『日々生きること自体が旅』をモットーに、旅行記やグルメ情報について綴っているブログです。

MENU

「ググれカス!」と会議中に人生で初めて言われたときの話

ライフスタイル

f:id:islog:20160204015852j:plain 

数年前のこと、会社の会議室で僕はただただ立ち竦んでいた。

出席者は10名程。
皆僕と同様に口を噤んでいる。
次の展開を伺っている、そんな雰囲気。

しんとしている中に、聞こえてくる貧乏ゆすりの音。
この状況を作った男のものだ。

彼は、怒って、いや、キレていた。
眉間にしわが寄っているその表情からも、怒りがひしひしと伝わってくる。

どうやら本気のようだ。

少しも笑いは、ない。

ググれカス!!!

この状況になったきっかけは、彼の放ったその言葉。

「ググれカス!」が現実世界にやってきた

その言葉は、僕に向けられたものだった。

ググれカス!!!」と、完全に、怒鳴られた。

もちろん、その言葉の意味は知っていた。
ググレカスであり、
Gugurecusではなく、
ggrks。

他人に聞く前にググって自分で調べろ、このカスが!!」という意味を凝縮した言葉であろうことは認識していた。

ただただ、呆然とした。
その意味を向けられたことに驚いたということではなく、現実世界で面と向かってネットスラングを口にする人がいることに驚いた。
しかも会議中である。

初めてだったのだ。
後にも先にも、そのとき以外に「ググれカス!」と面と向かって(ネット上でもだが)言われたことはない。

軽いノリなら、ひょっとしたら口にすることもあるのかもしれない。
しかしながら、彼のそれは、大真面目な、感情をどっぷり乗せた言葉だった。
僕の周りで見聞きしないだけで、世間ではよくあることなのだろうか。

「ググれカス!」と言われるまでの経緯

当時、本業では無かったのだが、会社がウェブサイト制作を始め、僕もその制作チームに配属された。
その頃のチームの制作レベルは低く、CSSを手探りしながらなんとかサイトを作っていた状況。
それでもそれぞれのメンバーが努力することで少しずつ技術が向上してきた頃のこと。
ウェブサイト制作を始めて半年ほど経ったある日、彼が会社にやってきたのだ。

彼は名前を聞けば誰でも知っているようなサービスの構築に携わったこともあるプログラマだった。
当然ながら、僕らのレベルには雲泥の差があるのは明白。
会社の人間の知り合いということで入社が決まったのだが、なぜうちの会社に入ったのか誰もが疑問に感じていた。

彼が入ってからと言うもの、制作チームの様相は一変することとなる。

CSSがやっとだった僕らに、とびきりハイレベルなルールが徹底された。
黒い画面を初めて開いたのも彼が入ってから。
横で見張られて「手元見んな!」「首切って詫びろ!」なんて言われながら、手汗ビショビショにしながら過ごす日々。
正しいと思える面もあり、今となっては覚えて良かったことは多々ある。
確かに、ある。
だがしかし、当時は本当にしんどかったのだ。

そんな中での、例の会議。

議題は新しいサイト案件の構築についてのことだったと思う。
システム構築についての話を彼が始めたのだ。

そもそも、彼以外にプログラム言語を触ったことのある人間はいない状態。

今度はプログラムの勉強か、さらに寝る時間減るな、と思っていたところに追い討ちがきた。

「●● Frameworkを採用する」

●●ふれーむわーく?
分かるわけない。今でも思う。当時の僕らに分かるわけがない。
当時の僕らの中で分かる人間がいるはずもなく、会議室に沈黙が訪れた。

彼には、聞かれたことに対して10倍くらいの怒りを足して返答する特性があり、次第に誰も彼に声をかけないようになっていたころだった。
何かを彼に聞くときは、もはや「お伺いを立てる」状態。

「採用する」と言ってから彼は何も言わない。
ほんの一欠けらもわからなかった。
こちとら、「●●ふれーむわーく」がプログラムのためのなにかも、もしくはプログラムに関係ないものなのかも、わからなかったのだ。
説明がなけりゃわからない。
僕は聞いてみることにした。
(今思えば、この時点での最適な発言は「日本語でおk」だっただろうか)

「“●●ふれーむわーく” はどのようなものなのですか?」

その答えが、「ググれカス!!」だった。
若干食い気味だった。

彼は基本的に教えてくれない人だった。
それなのに、基盤は彼のルールだったものだから、その上で野放しにされるので本当にわからないことだらけだった。

「北に行け!」と言われたとしても、自分の居場所も方角もわからない。そもそも方角という概念が正しいのかどうか疑うところから毎度始めるような状態だった。

彼は彼で、僕らの能力をある程度の水準まであげようとしてくれていたのだと思う。
しかし、彼はプログラマとして、うちの会社にとってハイスペックすぎた。
そして、管理者としてはコミュニケーション能力が欠けていたように思う。

苛々するのはまあわかる。ただ、「ググれカス」はなかろうて。

当たり前のように、会社は彼を持て余し、彼は去っていくこととなった。

ネット上での発言が現実世界に漏れた

この「ググれカス!!」事件はいまだに当時その場にいたメンバーとの間で語り草になっている。

今では腹を抱えて笑いながら酒の肴にもできる。
だが、「怖いな」と思う気持ちもあるのだ。

ネット上での発言には尖ったものもよく見られるが、それは顔が見えないからこその発言だと思っていた。
しかし、その発言がもし現実世界に漏れ出したらと考えると、途端に怖くなる。
ポップで笑えるものなら、良いのだけど。

文字として見るだけでも耐えがたい尖った言葉を、面と向かって言われた場合どれだけダメージがあるか。
実際、彼の言葉はどれも攻撃的で、メールなどでやり取りする文面と実際の発言(どれも辛口)に差がほとんどなかった。
それを面と向かって言われ続けるのだ。
スルースキルはどうやっても身につかず、僕はもれなく鬱状態となった。

生身にはダメージが半端ないのである。

まとめ

僕は言わない。

「ググれカス!」とジョークではなく、面と向かって言われたことのある方って結構いるのだろうか。
いるのだったら、怖いなー怖いなー。世の中。

「ググれカス!」と言われて結果的に良かったことは、検索能力が向上したことだろうか。
カスはものすごくググるようになって、周りから「どうやって検索してるの?」とよく聞かれるようになりましたとさ。

『ググるカス』ですね。はい。
そんな忘れもせぬいつかのバレンタインデーの日の話、でした。

 

今週のお題「バレンタインデー」

次回予告(明日になってみたら違うことが多々あります)

熱海の老舗 釜鶴ひもの店のあじの干物を七輪で焼いていただく
RSS購読 rss-button-off