ドイツベルリンでのアート 文化にアートが根付いていること

日本には根付いていないが、ドイツには国の文化として根付いているアート
本日はドイツベルリンに在住時に感じた、アートと文化のことについて綴ります。

アートが根付いている文化の中で表現することの重要さ

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以前、日本にはアートが根付いていないといった記事を書かせてもらいました。

美術・芸術・アート(ART)日本に根付かず歩き回る価値観

上記記事では、日本でアートで食っていくことの難しさについて書いています。
日本には、アートが文化として根付いていないのです。

本日はその逆で、ドイツベルリン在住時に感じたことについて書かせていただきます。

ベルリンで作品を売っているときに実際にあった忘れられない出来事

僕はベルリンにいた頃、世界遺産の博物館島で毎週末行われている、アートのフリーマーケットに出店していました。
そこでは自分で創った作品を、旅行で訪れた各国の人々とベルリンに住んでいて訪れた人々に対して販売していました。
毎週末売れた作品の分、平日に制作をして週末に備えるといった生活をしていました。

その中であった忘れられない出来事について綴ります。

小学生の少女が購入してくれた写真

その日はアートマーケットに写真をメインに据えて展示していました。

僕が出店していたアートマーケットは世界遺産の場所でもあることもあり、多くの人が訪れます。
家族連れから観光客、アートマニアまでお店に来る人も様々でした。

そこに、小学生低学年くらいの少女が見にきました。

その子は僕の写真を見てしばらくすると「引っ越しをしたから新しい部屋に飾る写真が欲しいんだ」と話しかけてきました。

僕は「お部屋に合うものがあれば良いね」と伝えました。

結局彼女は他の店も見た上で戻ってきて、僕の写真を買っていってくれました。

その写真は20ユーロでした。
当時で言うと日本円で3,500円くらいです。

僕は写真に高い価格を設定していなかったので、作品としては安い値かもしれませんが、
例えば日本で、小学生1人が3,500円を握ってフリーマーケットに行って、部屋に飾る写真を探すなんて光景が日頃見られますでしょうか?
僕は日本のフリーマーケットに出店したことがあるわけでもないので確証はとれませんが、そうあることではないでしょう。

ベルリンでは、こういった経験を何度もしました。

これは日本には根付いていませんが、ドイツには国の文化としてアートが根付いているからだと感じました。

親が、学校が、友人たちが、教えてくれること・感覚として持っていることが、その人の生活を形成していく大きな要素となると思います。
彼女を取り囲んでいる文化は、独自の視点でいることに対して寛容なのでしょう。

日本では一般常識が強くはびこっていて、そこからずれると途端に攻撃の対象とされてしまう傾向にあります。

僕の友人にも、高価ではあったが気に入った絵があって購入して部屋に飾っている友人がいます。
ですが、その話を他人にすると「サギだよ、それ」と嘲笑されるばかりだと嘆いていました。

自分の国の文化に無く教育にも無かったものは、それ自体を受け入れられない環境が出来上がってしまっているように思えます。
そこからずれると攻撃されてしまうのであれば、受け入れるのが怖いのも当然なのかもしれません。

テレビのニュースなどで得た過去の情報から自分の意見(としたもの)を作り上げ、その意見に一般常識という鎧を着せて、少しでもそこからはみ出てしまった人たちを攻撃する、それが永遠と続いているように思えます。

このブログでは何度も書いていますが、一般常識はこの国の枠の中での、その人の固定観念でしかありません。
そんな調子で「一般的に」と話していて、例えばこの国が無くなってしまったら何を「一般的」とするのでしょう。

作られた『流行り物』ばかりが拡がっていく環境には疑問ばかりが積もります。

僕の写真を買ってくれた少女は、僕の写真が気に入ったから買ってくれただけだと思います。
僕は有名なアーティストでもなんでもなく、ほとんど知られていませんでした。

彼女の住む国には、『人が決めた良さ』をそのまま受け入れる文化は感じませんでした。

自分で決めた良さ』を大事に、またその『それぞれが決めた良さ』を尊重する文化を感じたのです。

まとめ

ベルリンのアートマーケットでの経験は僕にいろいろなことを気づかせてくれました。
日本にいた時には見えないものばかりでした。

どうやっても日本は島国です。
グローバル化といっても、それはメディアが作り上げた幻想だと思います。

表面的な情報に動かされず、自分で行動して学んでいかないと、この国の文化から足を出すことはできないと思います。

そしてそういう人の感覚が認められるようにならないと、きっとアートは根付かない。
根付いたように見えたら、それはメディアが作り上げた『現実』に違いありません。

筆者について

筆者について


1982年、東京下町生まれ。
高校卒業後、アメリカへ留学。その後、「アートが根付いた国では絵だけで食えるのか」を確認するため、ドイツベルリンにてアート活動をおこなう。

日本に戻ってからは、コーディング・オーサリング・プログラミングなんかを経て、ウェブディレクターを肩書きにしておりました。現在は独立し、ブログやサイトの運用を軸に、ウェブサイトの企画提案からデザイン・構築まで手広く活動しております。何でも屋です。

isLog〜イズログ〜では『日々生きること自体が旅』をモットーに、日々の旅を中心に綴っています。

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コメント

  1. もんまあつこ より:

    こんにちは。
    ベルリンとアートについて調べていたらishikawaさんのベルリンで小学生がアートを買う!
    という記事に出会い衝撃を受けてメッセージ送りたくなりました。
    確かに日常で「アートを買う」
    していないな、と。
    普通のこととして日本もそうなれば、と思うとともにまずは自分から。
    私も好きだと思う作品は有名無名関係なく、自分の感性で買ってみようと思います。
    アート好きが生じ、アートの正規教育は受けてませんが絵も最近本気で
    アートとベルリン(数年前からアートシーンが盛り上がってると聞いて今夏行くことに)
    行く前に
    前提としてとても大切なことを教えてもらった気がします。
    ブログこれからも読みますね(^ν^)

  2. Hidekazu Ishikawa より:

    > もんまあつこさん
    ありがとうございます。
    励みになります。
    夏のベルリン、羨ましい限りです!
    Museumpass購入してアート三昧も良いですね。
    自分が思い浮かべた表現を実現するために技術が必要なとき、
    自分の好きなアート表現の成り立ちを知りたいとき、
    そんなときは正規教育は役立つと思いますが、
    必ず必要なものではないと思います。
    良いものは良いと言えたり、
    周りが「わからない」と言うものを好きだと思えたり、
    それだけでもラッキーだと思います。
    それだけ、楽しみが増えますからね。
    ぜひ、ベルリンにアートに楽しんでください!

  3. 通りすがり より:

    すごく共感しました。
    日本でもこういうことが可能な雰囲気をぜひ少しずつでも前に。

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