結論から言うと、鋸山日本寺の東海千五百羅漢は、地獄のぞきや日本寺大仏とは違う静かな迫力がある見どころです。
1553体の石仏が並ぶ羅漢エリアで、岩肌や洞窟のような空間に安置された石仏を眺めながら、山道を歩いて巡ります。
階段や石の道も多いので、歩きやすく滑りにくい靴で訪れるのがおすすめです。
1553体の石仏が並ぶ、東海千五百羅漢(とうかいせんごひゃくらかん)。
鋸山中腹にある日本寺境内の羅漢エリアに点在しています。
21年という歳月をかけて彫刻された数々の石仏。
明治の廃仏毀釈運動により頭を破壊されたものも多くありますが、頭が残っているもの・復元されたものはどれも表情が豊かで、それぞれ顔が違います。
鋸山日本寺の羅漢エリアへ向かう
鋸山はその山腹10万坪が日本寺の境内。
日本寺大仏・地獄のぞき・百尺観音・東海千五百羅漢などの見どころが多数あり、人気の観光地となっています。
車で鋸山へ向かう場合の駐車場選びや、ロープウェイを使わずに山頂方面へ行く流れは、以下の記事にまとめています。



妻と2人、ここまでは地獄のぞき・百尺観音・日本寺大仏などの見どころを巡ってきました。
欠かせない見どころのひとつ東海千五百羅漢は、日本寺大仏から山を登って行くことで見られるのですが、まだ時間があった僕らは日本寺大仏から山を下っていくルートを選ぶことにしたのでした。
不慮の火災によって消失した本堂方面へ
広大な境内を有する日本寺ですが、その長い歴史の中で荒廃と復興を繰り返してきました。

こちらは薬師本殿。立派な造りですが……。
実はこちらは平成19年に再建されたもの。

昭和14年のこと、登山者の過失により山火事が発生。
その火の影響で、本堂を含む建造物など文化財を焼失。この薬師本殿もその火災で燃えてしまったそうです。

山火事の後にはすぐに復興計画が立てられたとのこと。
しかし、第二次世界大戦時に鋸山が軍の要塞となるなどの出来事が重なり、復興が遅れたまま現在に至ったそうです。

その影響から日本寺には本堂が無く、現在も参拝者の寄付や拝観料から復興を進めている状況。
燃えた中には仏像などの国宝級の品も多くあったとのこと。悲運ですね。

復興真っ只中ではありますが、国指定重要文化財の日本寺鐘があったりします。
頂上から大仏のある中腹までに人が多く集まりますので、境内の下部をゆっくりと散策するのも気持ちが良いものです。

歴史を感じる通天窟の前を通り、再び山を登っていきます。

どこまでも続くかのような階段をひたすら昇り、上へ。
この階段を昇っていくと、大仏口管理所の前に出ます。
1553体の石仏が並ぶ東海千五百羅漢(とうかいせんごひゃくらかん)
大仏口管理所近くの階段を昇っていけば東海千五百羅漢エリア。

石仏は風食によってできた洞窟に安置されています。
こちらは護摩窟(ごまくつ)と名付けられた洞窟。

大野甚五郎英令が21年間、門徒27人とともに彫刻した石仏。
全1553体。その数からも、世界一の羅漢霊場とも称されるそう。

膨大な数の石仏があるだけでも圧倒されるのですが、岩の風食によって作られた景色は他ではあまり見られないものばかり。

並んだ石仏には頭の無いものもあります。
これは明治の廃仏毀釈運動(はいぶつきしゃくうんどう)で頭を破壊されたもの。多くは復元されたものの、「首なし羅漢」と呼ばれる頭部が無い石仏も多く残っています。

当然のようにこの土地の石を使ったのだと思って見ていたのですが、原料となった石材は伊豆から運ばれた伊豆石だそうです。
どの石仏もそれぞれ顔が違って、表情が豊か。よくよく見ていると友人に似ている顔の石仏がいたり、と。

まとめ:東海千五百羅漢は鋸山日本寺で静かに圧倒される場所
全ての石仏を見て回ると、それなりに時間がかかります。
それでも、1553体という規模はなかなか拝めないもの。
地獄のぞきや日本寺大仏のような分かりやすい迫力とは違って、東海千五百羅漢には静かに圧倒される魅力があります。
注意点としては、あくまで山を歩くことになるので、歩きやすく滑りにくい靴で訪れること。
階段や石の道が続くため、ヒールや革靴だとかなり大変だと思います。
結局、地獄のぞき→百尺観音→日本寺大仏→東海千五百羅漢と巡って、約2時間半。
日本寺の境内は広大で見どころも多いため、時間には余裕を持って訪れたほうがいいですよ。