妻の誕生日ディナーで、つくば市の「藤右ェ門 栄」へ。
藤右ェ門 栄は、茨城県つくば市金田にある古民家レストラン。
築190年の古民家、日本庭園、静かな個室、そして和の空間でいただくイタリアン。
この日はディナーのCコース、シェフのおまかせプレミアムコースを予約。
夜の門をくぐるところから、食後に余韻を抱えて外へ出るところまで、特別な時間。
記念日や誕生日に、落ち着いた場所でゆっくり食事をしたい。
そんな日にとてもよく合うレストランでした。
夜の門構えから、もう特別な時間が始まる
訪れたのは、4月末の夜。
予約は18時30分から。
車で近づくと、通り沿いにふっと明かりが見えてきます。
白と黒の外壁、瓦屋根、やわらかく照らされた門。

外から見ただけで、普段の食事とは少し違う場所に来た、という気持ちに。
派手ではないのに、きちんと背筋が伸びるような佇まい。素敵。
門の近くには「藤右ェ門 栄」の文字。
その奥には、広い庭と、玉砂利の道が続いています。

夕方から夜へ変わる時間帯の空気は、少し湿り気があって、木々の匂いが濃く感じられます。
足元の砂利が小さく鳴る音も、こういう場所ではよく響く。
妻の誕生日ディナーということもあって、いつもより少し丁寧に歩きたくなります。
藤右ェ門 栄は築190年の古民家を使ったレストランとのこと。
日本庭園や樹齢400年の椎の木、和紙の照明や笠間焼の器など、空間全体にこだわりがあるとのことです。
実際に中へ入ると、その説明がすっと腑に落ちる、そんな雰囲気。
個室で過ごす、静かな誕生日ディナー
入口を入ると、印象に残るのは照明のあたたかさ。

木の柱、土壁、格子、低く落とされた明かり。
新しいレストランの明るさではなく、時間を重ねた建物の中に、静かに灯りを置いたような雰囲気。

丁寧な接客で案内され、この日食事をする部屋へ。
廊下や部屋の空気には、古民家らしい木の匂いがほんのり残っています。
足音や話し声もやわらかく吸い込まれる感じがあって、気持ちが自然と落ち着いていくのがわかります。

この日は完全個室。
テーブルには小さなキャンドルと花、そして本日のメニューが置かれています。

品書きがあると、これから始まる時間の輪郭が見えてきてワクワクしますね。
今日は何が食べられるのだろう、と眺める時間も楽しい。
今回いただいたのは、ディナー Cコース(シェフのおまかせプレミアムコース)。
旬の食材を贅沢に使い、シェフが選ぶ当日一番の素材で料理を楽しめるコースとのこと。
2日前までの予約制。
ディナーは料理内容をおまかせする形です。

箸には「tsukuba touemon」の文字。
洋食のコースなのに、お箸でいただけるのも優しさを感じます。
堅苦しすぎず、でも特別感はしっかりとある。
そのバランスが、記念日の食事にはちょうど良く感じます。
焼きたてパンと、最初の一皿
最初に運ばれてきたのは、焼きたてパン。

丸くふくらんだパンは、表面がこんがり。
添えられているのは、藤右ェ門 栄で人気だというアンチョビバター。
パンをちぎってみると、外側は軽くパリッとしていて、内側はふわっとやわらかい。
ほわっと小麦の香りが立ち、バターをのせて食べると塩気と旨みが口の中に広がります。

そして「メニューには書いていないのですが」と、ブルスケッタが登場。
これもおいしい。
誕生日ディナーだからとお腹を空かせた我々にとって、このパンとブルスケッタが落ち着きと安心をくれました(笑)
コースのはじまりとして、とても良い入り方。

先付けは、カンパチと炙りカツオとホタルイカのカルパッチョ キャビア添え。
白い皿の中央に、魚介と山菜、ラディッシュ。
炙りカツオの香ばしさ、カンパチの脂、ホタルイカの濃い旨み。
そこにキャビアの塩気が重なって、ひと口目から華やか。
春の食材らしい、少しほろ苦い山菜の存在もGOOD。
和寄りの味付けから入ってくれるのも嬉しいところ。
一皿目からおいしくて、次に出てくる料理が待ち遠しくなります。
椎茸、冷製スープ、そば粉パスタ。静かに驚きが続く

前菜は、椎茸の魚介詰めオーブン焼き。
大きな白い皿の中央に、ぽつんと椎茸。
この余白の使い方が美しい。
肉厚の椎茸は香りが濃く、噛むと椎茸と魚介の旨みがジュワッと出てきます。
ひと皿としては小さめですが、味の密度が高い。もはやステーキ。

続いて、アロマレッド人参の冷製スープ カプチーノ仕立て。
淡いオレンジ色のスープに、白い泡。
スプーンを入れると、なめらかで、ひんやり。
カボチャのポタージュのような見た目ですが、口に入れるとしっかりと人参。
ただ、エグみは一切なく甘く爽やかな味。泡の軽さが重なって、口の中でふわっとほどけます。
初めて食べる人参のスープの味に驚き。
味を確かめていたらあっという間に食べ終えてしまったのですが、余韻を確かめつつ妻と話す時間も楽しい。
また、温かい料理が続く前に、こういう冷たい一皿があると、味覚が整う感じがして良いですね。

パスタは、雲丹クリームのそば粉パスタ イクラ添え。
このパスタがおいしかった。
そば粉のパスタなので、通常のパスタよりも香ばしさがあって、噛むと穀物らしい風味が感じられます。
そこに雲丹クリームのコク、イクラの塩気、海苔の香り。濃厚なのに、絶妙なバランス。
バスタが残り少なくなるのをもの惜しく思いながら、残ったソースはパンで拭って食べる。
これがまたおいしい。
ひと皿ごとに「次はどう来るのだろう」と思わせてくれる。
おまかせコースの楽しさは、こういうところにありますね。
真鯛と帆立、そして常陸牛。主菜で満たされる

次は、魚料理(ペシュ)。
愛媛県産真鯛と帆立のポワレ 駿河湾産桜海老のソース。
緑の野菜、桜海老の赤、真鯛と帆立の白。
春らしい色がきれいにまとまった一皿。
真鯛は身がふっくらとしていて、帆立は甘みがあります。
そこに桜海老の香ばしさが加わることで、海鮮らしい風味がぐっと立ち上がる。
ソースは強すぎず、魚介の味を前に出してくれる。
食べる具材を変えるひと口ごとに、香りと味が少しずつ変わるのが楽しい。

そして、肉料理(カルネ)。
常陸牛のロースト おろしわさびソース。
器の華やかさもあって、テーブルに置かれた瞬間に気分が盛り上がりますね。
常陸牛の赤身の色が美しく、添えられたクレソンや野菜の緑がよく映えます。
肉はやわらかく、噛むほどに口の中に旨みが広がり……。
おろしわさびのソースがあることで、脂の甘みがすっきりと締まって、おいしい。
重くなりすぎず、でも満足感はしっかり。
パンを追加してもらい、最後の主菜を堪能。
妻もゆっくり味わいながら、嬉しそうに食べていました。
誕生日の食事は、料理そのものだけでなく、その表情まで含めて記憶に残るもの。
本日のドルチェで、余韻を静かに締めくくる
最後は、ドルチェ。

グラスの中に、白く滑らかなティラミス。
上には苺、ミント。
食事の最後にふさわしい、軽やかで華やかな見た目。
口に入れると、なめらかな甘さに苺の酸味が重なります。
コースを通してしっかり食べたあとでも、スッと食べられるやさしさ。
甘すぎず、食後の余韻を壊さないドルチェでした。
食後の飲み物は、コーヒーまたは紅茶。
灯りの落ちた個室で、一時、静かに過ごします。
食事が終わってすぐ立ち上がるのではなく、料理を思い出しながら、ゆったりと会話する時間。
こういう余白があると、記念日の食事はより印象深くなりますね。
記念日や誕生日に合う、藤右ェ門 栄の魅力
藤右ェ門 栄の良さは、料理だけにあらず。
もちろん料理はどれもおいしい。
魚介の香り、野菜の甘み、常陸牛の旨み、そば粉パスタの香ばしさ。
一皿ずつ丁寧で、コースとしての流れも心地良いものでした。
さらに印象に残るのは、場所そのもの。
夜の門。
玉砂利の音。
古い木の匂い。
和紙の照明。
個室の静けさ。
その全部が、食事の時間をゆっくり支えてくれる感じ。
つくばで誕生日ディナーや記念日の食事を考えているなら、藤右ェ門 栄はかなり良い選択肢だと思います。
特別な日だけれど、華美すぎない。静かで、丁寧で、記憶に残る。
僕たちにとっても、妻の誕生日に選んで良かったと思える夜となりました。
店舗情報
藤右ェ門 栄は、茨城県つくば市金田38-1にあります。
正式には「遊食伊太利庵 藤右ェ門 栄」と案内されています。
公式サイトの案内では、ランチは11:30〜、最終予約受付13:00。
ディナーは18:00〜、最終予約受付19:00。
完全予約制です。
定休日は月曜日・火曜日。
月曜日が祝日の場合は営業し、変更になる場合があると案内されています。
今回いただいたディナー Cコース(シェフのおまかせプレミアムコース)は、税込13,860円。
2日前までの予約制で、料理内容はおまかせです。
ディナー時はサービス料5%の案内があります。
個室利用の場合は、予約内容により個室料がかかる場合があります。
僕たちの予約では完全個室で、滞在可能時間は2時間30分の案内でした。
10才未満のゲストの飲食は受けていないとの案内もあるため、家族利用を考えている場合は事前確認が必要です。
アクセスは車が便利です。
カーナビを使う場合は、公式サイトでは「つくば市金田(こんだ)38-1」で検索するよう案内されています。
公共交通機関では、つくばセンターからつくバス小田シャトルを利用し、「金田東」停留所で下車すると、店の目の前です。
営業日、料金、コース内容、個室料、キャンセル規定などは変更される可能性があります。
訪問前には公式サイトや予約ページで最新情報を確認してください。