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isLog [イズログ]

isLog〜イズログ〜は『日々生きること自体が旅』をモットーに、僕ishikawaが感じていること・おすすめしたいこと・ウェブなどの技術で共有したほうが良いと思うことについて日々綴っているブログです。

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自宅の隣の隣の小さな町工場のおっちゃんとの数秒の会話

ライフスタイル

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夜だ。
サラリーマンやOLが家路を急ぐ中、僕は誰よりも早く歩いて自宅へと向かう。
駅から自宅まで向かうこの時間、僕は大抵上機嫌だ。

自宅では妻が夕飯を用意してくれているし、愛猫も僕の帰りを待っている(実際には待っていた様子はいつも見えないが、待ってくれているということにしたい)。
仕事から離れた開放感もあるだろう。

だが、僕にはこの時間が楽しみな理由が他にもあるのだ。

毎日楽しみにしている短い会話

駅から数分歩き、自宅のある路地に入る。
自宅は路地の一番奥。

奥の方に歩いて行くと、自宅の手前に引き戸が開けっ放しの小さな町工場がある。
暗い路地に溢れ出す、工場の明るい光。

「こんばんは!」

光の中に向けて声を掛けると、工場のおっちゃんが顔を出してくる。
髪は坊主で白髪、酒焼けなのか浅黒い肌をしている。
江戸っ子といった風情だ。

こんばんは!んーいいね〜!やってるねぇ〜、遅くまで!あんまり遅いと奥さんに怒られるよ!だめだよ〜!!!

いつもの調子である。
このやり取りを、僕はいつも楽しみにしているのだ。

普段声の小さい僕だが、このおっちゃんと話すときだけは声が大きくなる。

「いえいえ、早いほうですよ!」

いいね〜!若いね〜!いっつも元気だねぇ〜!!

僕が元気そうに見えるのは、こうやっておっちゃんが話しかけて元気をくれるからだよ。
立ち止まることはほとんど無い。
それでもおっちゃんは僕の背中に声を掛けてくれる。

おやすみっ!!

おやすみなさい!!

僕は後ろ歩きをしながら、返事をする。

返事をしたその瞬間に、しんどい日でも落ち込んでいる日でも、元気になっている自分に気付くのだ。
引っ越してきてからずっと、こんな感じ。

無条件で元気になるおっちゃんの言葉

見た目よりも年齢が上であることと、工場ではひとりで働いていること、工場と自宅を自転車で行き来しているであろうこと以外は、おっちゃんの素姓はわからない。

おっちゃんがいる間は、町工場の引き戸はほぼ一年中開けっ放しだ。
寒い時期でも割合開いている。

仕事帰りに町工場を覗けば、

お!遅くまでご苦労さんだね!!仕事したらね、ビール飲まなっきゃダメだよ!早く家の中入ってね、ビール飲んでね!!プシュってね!

なんて声を掛けてくれるし、 妻と休日に出掛ける際に顔を合わせたときには、

いいね〜!いつも仲良くて、ね!!いやー、いいよ〜!!いってらっしゃい!

と送り出してくれる。

不思議と、元気をもらえる言葉。

温かい年配者

おっちゃんの他にも、我が家の向かいの家に住むおばあさんとも顔を見かければ話をする。

「滅多に咲かない花が咲いたから」と庭に呼んでくれたり、果物が食べきれないからと持ってきてくれたり、僕が庭で釣竿を洗っていたら亡くなったご主人の釣り道具を譲ってくれたりと、気持ちの良い交流をさせていただいている。

僕の知る限り、僕の住む立石には温かい方が多い。
そして、そういった方の大半が年配の方だったりする。

年配の方が多く住む町だからといって、若い世代が住んでいないわけではない。
よく見かけるのだが、あまり元気がない感じがする。
もちろん、そうではない方もいるが。
近所に住む若い方(若いといっても同年代くらい)に挨拶をしても返ってこない、ということはよくあることだ。

日常に入り込んでくる人付き合いを敬遠しているように見える。

特に近所付き合いは、自分の思いもしないタイミング、つまりプライベートで意識が内に向いている時でも、他人との扉を開かなくてはいけなくなる。
それが面倒だから、接点を持たないようにするのかもしれない。

東京住まいではあるが、僕は小さい頃から祖父母と暮らしていたから、近所との付き合いは密なものだった。
それが、歳を重ねるにつれ、近所との付き合いが希薄になっていくのを肌で感じていた。
我が家がそういう方針にしたからというわけではなく、時代がそういう流れだから、といった何か大きな力によるものに思えた。

ちょっと寂しい

煩わしい時もあるかもしれない。
だが他人とのコミュニケーションを敬遠してしまうと、自分の時間は増えたとしても、自分の範囲の中だけで世界が完結してしまうように思う。

おっちゃんや向かいのおばあさんとのやりとりから、僕はたくさんのものを得れている。
知識だけでなく、気持ち的なものも。
そういう体験が、割合この町ではしやすいように思う。

そんなことをおっちゃんとの短い会話の中で、思うのだ。

「いやいや、いつも元気なのはそちらじゃないですか!」

泣いてもね〜、笑わないといけないよ!こう、ワハハってね!!

 

東京町工場散歩 (中経の文庫)

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町工場のものづくり (ちしきのもり)

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次回予告(明日になってみたら違うことが多々あります)

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