「僕は本当にゲイではないのか」アートと同性愛の熱量

僕はゲイではありません。
確認してみたけど違いました。

確認してみたというと卑猥な響きになりますが、身体の接触などはなかったことを先にお伝えしておきます(笑)
そして、僕は同性愛者に対して偏見はありません
日本も同性愛者が自由に過ごせる寛容な国になれば良いなと思っています。

僕は元より男性に興奮するとかそういったことがあったわけではなく、『確認する』必要があったのかといえば無かったとも言えます。

しかし、「自分のことなんて確認してみないと何もわからない」といった信念のもと、何事も確認はしてみたかったのです。

ここで綴るのはドイツのベルリンに住んでいたときのことです。

同性愛者にもアートにも寛容なベルリンでヌードモデルをしたときの話

ドイツのベルリンに住んでいた頃、僕はアーティストとして絵や写真を売って生活していました。

写真はいつどんな場面で撮影するかわからないので、いつも肩に一眼レフのカメラをさげての移動です。

その日もカメラを肩にさげ、ギャラリーを巡りつつ街中を巡っていました。

そんな折、「君はアーティスト?」と声をかけられたのが始まりとなりました。

声をかけてきた彼は、トム・クルーズ似のイケメン。

彼はオランダ出身で絵描きをしているとのことで、「何かコラボレーションして作品を作ろう」とその場で話がまとまっていきました。

作品の内容は『僕がモデルになり彼がドローイングしているところを僕が撮影する』といったもの。
彼の住んでいるアパートが近くにあるとのことで、初対面から15分後には彼の住むアパートの部屋にお邪魔していました。

この時既に「彼はゲイかもしれないな」とは感じてはいましたが、新しいものを作れるかもという好奇心のほうが勝りました。

ごめん、僕はゲイじゃない

彼の部屋に入ると、早速彼は僕をモデルにドローイングを始めます。

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この時の僕は上半身だけ裸。

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彼はすさまじい勢いでドローイングを描いていきます。

ものすごい熱量です。

これは本当に面白い体験だなと感じながら、僕も夢中で写真を撮りました。

自分がモデルになりながら、そのモデルが描き手を撮影する。

初めての経験でした。

新鮮な、体験。

しばらくドローイングをすると、「下も脱げるか?」と言ってきます。

真っ裸になりました。

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僕の下半身がドローイングされていきます。

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暑い!

そう言いつつ、彼も描きながら服を脱いでいきます。

彼から発せられる熱量は勢いを増すばかり。

そしてある程度書いたところで、「僕の身体をみて興奮はしないか?」と聞いてきました。
想定はしていましたが、やはり彼はゲイでした。

僕は「ごめん、僕はゲイじゃないんだ」と伝えたのです。

ドローイングを終えたあと、キッチンでビールをだしてくれました。

ビールを飲みながら話しているときに、「なんでゲイじゃないのに脱ごうと思ったんだ?怖くなかったのかい?」と聞いてきます。

僕は、「アートのためだよ」と答えました。

純粋に、彼の熱量は目を見張るものがあり、その熱はドローイングにも、僕にも伝わっていたのです。
素敵な、『表現』でした。

彼は「アジア人でそんな風にふるまえる人間に初めて出会ったよ」と言ってくれました。

出会いの段階でお互いに想いをぶつけた僕らは、あっという間に仲良くなり、結果、彼は現在も頻繁にやりとりをする友人となりました。

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そして僕は「自分がイケメンだと思える男性とああいう場面になっても興奮しないなら僕はゲイではないだろう」という答えに至ったのでした。

彼と僕の間には決定的な体格差がありました。
海外の男性は日頃から鍛えている人が多く、彼に襲われたらひとたまりもなかったと思います。

ただ、その危うさと芸術に対する想いなどのエネルギーのぶつかり合いが生む狭間で、その一刻一刻を写真で切り取ろうとする行為自体の興奮は他には代えがたいものでした。

同性愛者に寛容なベルリン

ドイツの人口の約5%、ベルリンの人口350万人のうちの30万人ほどが同性愛者といわれています。
同性愛者に寛容であることは、『ゲイパレード』や『登録パートナーシップ制度』などからもわかりますね。

僕は先に述べた彼と出会ってから、『ゲイが集まるカフェ』や『ゲイが集まるバー』に彼と共に行くことがありました。
日本ではまず見ることができない文化がそこにはあります。

ベルリンのゲイバー 重厚な扉のなかは果てしない熱量に溢れていた

彼から聞く話もとても興味深いものが多かったと記憶しています。
男性である身体のなかでの女性的な感覚など、パワフルかつ繊細な気持ちは僕には到底感じられないものでした。

アーティストやミュージシャンには同性愛者が多いと聞きますが、同性愛者でなければ作れないものが生まれるのも納得ができました。

日本では

『オネエ系タレント』がでてきているくらいで、日本はまだまだ同性愛に寛容ではないですよね。
同性愛もその人の個性であり、何も否定するべきことではないと思います。

僕は同性愛者ではないので「法制度を整えろ」とはとても言えないですが、「せめて偏見だけで嫌な顔しないでほしい」とだけは言っておきたいです。

同性愛についてもそうですが、アートにも、ね。

筆者について

筆者について


1982年、東京下町生まれ。
高校卒業後、アメリカへ留学。その後、「アートが根付いた国では絵だけで食えるのか」を確認するため、ドイツベルリンにてアート活動をおこなう。

日本に戻ってからは、コーディング・オーサリング・プログラミングなんかを経て、ウェブディレクターを肩書きにしておりました。現在は独立し、ブログやサイトの運用を軸に、ウェブサイトの企画提案からデザイン・構築まで手広く活動しております。何でも屋です。

isLog〜イズログ〜では『日々生きること自体が旅』をモットーに、日々の旅を中心に綴っています。

詳しいプロフィールはこちら


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コメント

  1. cosmic333 より:

    セクシャリティを確認する作業…
    すごく貴重で大事な経験ですよね。
    ishikawaさんのブログは面白い記事が多く、楽しく拝見させていただいております!

  2. islog より:

    > ノリマキさん
    おおお、コメントいただけるとはありがたい。
    読んでいただきありがとうございます。
    この記事の出来事は僕の中に大事な経験として残っています。
    ノリマキさんの記事もすべて拝見させていただきました。
    これからも楽しみにしていますねっ

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