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isLog 〜イズログ〜

isLog〜イズログ〜は『日々生きること自体が旅』をモットーに、旅行記やグルメ情報について綴っているブログです。

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ポリスメンに銃をつきつけられ ”Don’t move!!” されてようやく気付いたこと

ライフスタイル

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をつきつけられたことがある。
と言っても、警察にですが。

もう10年以上も前の話。
当時は心底恐怖を感じました。

環境が変われば自分の持っている経験や常識なんてちっぽけなもの
今となっては良い経験をしたと思っています。

銃社会と言われるアメリカに身を置いた

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当時、僕はアメリカ・カリフォルニアのど田舎にある学校に留学していました。
日本の高校を卒業してそのまま留学した形。

国が違えば当然文化が違います。

環境から食事からあらゆることに困惑しました。
前情報を頭に入れていなかったので、当然ではあるのですが。

その文化の違いの中でも、一番インパクトが強かったのが『』。

少し大きめのショップに行けば、服やCDと並んで銃が売られているのです。
銃がディスプレイされているのを見た時は正直驚きましたね。

銃が身近にある生活

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それからというもの、銃は自分の認識できる範囲内でも頻繁に存在するようになりました。
学校の寮ではアメリカ人の友人が銃を見せびらかしていましたし、友人の自宅に遊びに行けば壁に猟銃がかけられていたりと。
ど田舎だったので、しょっちゅう猟銃が撃たれている音が響いていました。

銃が実際に使われている場面も、何度か見かけるようになります。

僕は友人のサッカーチームに参加してリーグ戦にでていました。
その試合をしている最中に突然響いた発砲音。

音が鳴ったほうに眼を向けると、近くの家から男が走り出てきます。

鞄を抱えて全力で走っていく男。
強盗か何かだろうか……。

僕がいたチームはアジア人が中心でした。
男が走っていく光景と叫ぶ女性の声を聞きながら完全に僕らの足は止まりました。
もはや、サッカーどころではありません。

しかし、相手チームは現地の人間が中心。
気にすることなくプレーを続け、ゴールにボールを蹴りこみます。
僕のチームは全員が呆然としたまま、点を失うこととなったのでした。

また、アパートで寝ていた友人のすれすれ上を銃弾が通って壁に突き刺さったこともありました。

理由はアパートの隣の部屋に住む夫婦の喧嘩。
激昂した夫が威嚇で猟銃をうって、その銃弾が壁を貫通して友人の部屋の壁にささったとのことでした。

夫婦喧嘩で死にかける環境

そのくらい身近に銃があったのです。

自分に銃が向けられる衝撃

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割と身近に存在していた銃ですが、自分に向けられていたわけではなかったので、どこか他人行儀ではありました。
そんなぬるい僕に、ある時お鉢が回ってきたのです。

ある夜、日本人の友人たちと外で酒でも飲もうと計画をしました。
男3人、女2人。

当時、僕らは寮に住んでいた僕らは、男と女では寮が分かれているため、なかなか一緒に飲むことができません。

しかも僕らは20歳前後。
アメリカは22歳以上でないと飲酒できません。
酒は歳上の友人に頼んで調達しました。

飲酒がばれると留学生は国に強制送還されるという話は聞いていました。
そこで、バレないようにと外の暗がりで飲むことにしたのです。
若気の至り。

全員が日本の常識感覚でした。
完全に甘かったのです。

アメリカの大学の敷地は広く、教室が分散されて建てられています。
僕らは敷地の一番隅の教室の裏に隠れて、飲み始めました。

ど田舎なので辺りは真っ暗。
星が綺麗だったのが印象的でした。

最初こそひそひそ声で話していましたが、しばらく経つと酒も入って警戒心が緩み、声も大きくなっていました。

気持ち良く飲んでいると、敷地の外の道路にパトカーが止まりました。

やばい

誰かがつぶやき立ち上がりました。
後を追うように皆も続きます。

広げていた飲み物やスナックを慌てて抱え、寮に戻ろうと一歩踏み出します。

……その瞬間でした。

両サイドの教室の陰から、銃を構えた警察が素早く飛び出してきたのです。

飛び出してきたと言っても足音は聞こえず、全く気配を感じませんでした。
規律のとれた美しい連携。
何が起きているのか、わからない。

Don't move!!

その声で我に返りました。

「やっぱりFreezeじゃないんだ」と浅はかにも思ったのを覚えています。
気付いた時には僕らは6〜7人の警察に囲まれ、銃を向けられていました。

わー、映画で見る光景だー。
そんな程度にしか、正直感じませんでした。

現実感が、ない。

そんな僕を見て友人が放った一言が僕の甘さを実感させてました。

手を挙げて。少しでも動いたら撃たれるよ。言うことを聞いて。

彼女の声は震えていました。
彼女のほうが現実をしっかりと見定めていたのでしょう。

おとなしく、両手を挙げました。

冷静に警察を見てみると、目の前の警察は顔に銃を向けていますが、横の警察が足を狙っているのに気付きました。
走ったら走れなくなるように狙っているように感じました。

そう感じると、急に訪れる現実味。
騒ぎ出す恐怖感。

しばらくすると、騒ぎを聞きつけて寮長が集まってきて僕らは解放されました。

寮の自分の部屋に戻って、ようやく事の重大さに気付きました。
僕の考えていた常識はこの国での常識ではなかった。

いつ撃たれても仕方がない環境に僕はいました。
完全に甘かったのです。

日本に帰れ

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その夜、僕らは全く眠れずに夜を明かしました。
撃たれずに済んだものの、酒を飲んだ上に警察の厄介になったので、かなりまずい状況であることは変わりありません。

強制送還もあり得ると思っていました。

翌朝、寮長に呼び出され、男3人で寮長から話を受けました

寮長の一言目は忘れもしません。
彼は黒人で、普段は何を話しているかわかりませんでしたが、そのときの言葉は不思議と理解できました。

You guys must go back to your home...

国に帰れってことだ。

強制送還の危惧をしていた僕らはうな垂れました。
自分の軽率さを悔やみました。

しかし、この話には続きがありました。
警察は僕らが酒を飲んでいたことには、気付いていなかったというのです。

警察が僕らがいた場所に来た理由は、僕らが飲んでいた前の日に、同じ場所で指名手配犯がパーティーを開いていたからだったとのこと。

僕らがいたのはど田舎だったので、犯罪者が身を隠すには絶好の場所だったようです。

寮長は「反省するなら見逃してやる」と言ってくれました。
それから3ヶ月間、寮の掃除をさせられましたが。

相当に反省しました。
酒を飲んだという事実より、甘かった自分が嫌になりました。

自分の中で「大丈夫だろう」と思っていたことが、圧倒的な力で打ち崩されました。

僕の行いが愚かなだけですが、良い経験になったと思っています。
自分が考えがいかに狭い範囲かを実感させてくれました。

今もなおその感覚は僕の心に残っています。

環境が変われば、自分の持っている経験や常識なんてちっぽけだったりするのだな、と

銃に恋して―武装するアメリカ市民 (集英社新書)

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銃を持つ民主主義―「アメリカという国」のなりたち (小学館文庫)

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次回予告

クレイジー同居人との生活 奔放に生きることの苦しさ
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